お墓を生前に決めておくことは、縁起でもないと考える人もいるでしょうが、本来中国では、生前にお墓を建てることで、長寿が約束されるという考え方があり、縁起の良いこととして考えられてきました。
縁起はともかく、現代では子どもたちに金銭的にストレスをかけたくないという気持ちから、親世代が自分の好みのお墓を自分で選んでおくというのが流行中です。
生前墓は、古くは寿陵と呼ばれています。
寿は長寿などの命が長らえるという意味で、お祝いの際に使う言葉で、おめでたい言葉です。
陵は皇帝の墓の意味があり、生前墓は縁起の良いことであるというのがわかります。
お墓参りに来るのは子どもや孫ですが、自分が終の棲家を探すとなると、やはり自分が気に入った石を選び、墓標には好きな言葉を刻み、自分が気に入った霊園にお墓を建てたいと考える人が少なくないわけです。
墓標には、生前ガーデニングが好きだった人は花を書いたり、自分の筆跡で自分の好きな言葉を書き、それをそのまま彫刻してもらったりということもできます。
生前墓で両家墓や永代供養をあらかじめ選択しておけば、遺された子どもが、いったい両親はどういう風に埋葬してほしかったのだろうかと、悩む事もありません。
葬儀などの方法も、できるだけ日常に、自分の希望を子どもに話して置くことで、意思疎通ができるので大切です。
子どもの側からは言いにくいこともありますから、自分なりにこうしてほしいという希望があるなら、食事の際など何気ない時に、希望を話しておくのも良いでしょう。